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再びのインドー3エローラ石窟

6月29日
朝、ホテルの窓から庭を掃除している人たちがいた。サリー姿が美しかった。
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今日は9:00に出発。午後はデリーに戻るので荷物も昨日のタクシーに積んでもらって出かけた。
エローラに向かう途中にDULATABADという山城のそばを通った。赤い塔が目立つ。中には格別なものはないということで、写真に収めるだけ。
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エローラ石窟はアジャンター石窟よりずっと近く2時間弱で到着した。駐車場を下りるとすぐに遺跡だ。
エローラ石窟はAD6世紀ごろから9世紀ごろにかけて仏教の石窟、ヒンズー教の石窟、そしてジャイナ教の石窟の順に作られたといわれている。アシッシュさんは「一番遠いジャイナ教の石窟(時代的には新しい)に先に車で行きましょう」と言ってその近くまで車で行ってもらったので体力的にはずいぶん楽だったと思う。下の地図を見るとよくわかる。
また、この日は、少し薄曇りでそんなに暑いとも思わない。「この天気はとてもラッキーですよ、普通エローラの観光は暑くて大変なんです」とアシッシュさん。私たち天気についている?
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車を降りると見学路の道路に遺跡番号が書いてあるのでわかりやすい。
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見学路には入っていないがまず、ここから見ましょうとアシッシュさんが案内してくれたのが
第30窟、岩山を掘り出して作っていった過程がよく見える作りかけの石窟だ。今、削っている最中というような石窟の内部の柱にはもうこんなに繊細な石の彫刻が刻まれている。この透かし彫りのあるクッション型の飾りがある柱はこの後の建物にも多く見られた。
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第32窟、石を彫り出して作った窟というより、もうこれは石彫りの寺院だ。9世紀のもの。石の門をくぐると庭の中に拝殿がある。拝殿を守る象。これも歓迎のポーズだという。
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続いて石窟内に入る。
ジャイナ教の開祖はマハーヴィーラ。ジャイナ教の修行僧は体に何もつけない。だから、衣服を着ていない像はジャイナ教のものだそうだ。
ジャイナ教の大事な神様はその他に富の神クーベラ、豊穣の女神やヤクシー、この3体が大体セットになって飾られているそうだ。
真ん中が裸体のマハーヴィーラ。左が豊穣の神ヤクシー、右が富の神ヤクシャまたはクーベラ?どちらも日本では夜叉として伝わっている。(クーベラは布袋様のよう太鼓腹だが、調べてみると日本の七福神では毘沙門天に当たるということだった。ヤクシーは鬼子母神。)
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32窟33窟と同じような内部だし、中でつながっているので下の聖堂はどちらのかわからなくなったが、奥には預言者が祭られている。下は33窟の外観。柱の形が特徴的だ。
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車で駐車場まで戻ってこんどは仏教エリアへ、第1窟から15窟までを番号と逆に進む。
第15窟は2階建てだ。内部は現代の鉄筋の建物のようだ。縦横の線がよく揃っていて、設計力技術力の高さにびっくりする。どんな工具を使ったのか。
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ここはヴィハーラ窟が多く中はがらんとしていて、奥の方に釈迦、周りには菩薩像が彫られている。
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第12窟は3階建て、石の階段は一段一段が高いのでゆっくり上がる。
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四角い柱が並ぶ内部はとても広い。部屋の中央の広い四角いスペースは昔水を入れて鏡にし、東の窓から入る朝日を反射させて内部の装飾を美しく見えるようにしたという。下を見るとこんな感じ。
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右端に見えるのが第1窟あそこまで歩く。
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第10窟はチャイティア窟、アジャンター石窟でも見たように木造建築を模して造られいる。
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内部はアーチ型の梁のある高い空間、釈迦の坐像が中央にある。写真を撮りますから座ってくださいとアシッシュさん、一瞬恐れ多い?と思ったが疲れていたし、失礼させてもらった。
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アシッシュさんはここで、「ブッダン シャラナム ガッチャーミー(仏に帰依します)」という基本のお経の文句唱え、「此処はよく響くでしょう」という。なるほと、声もいいし、なかなかいい感じ。夫もカンボジャで習ってきたこのお経を合唱して、これもなかなかいい感じ。


最後の第1窟が見えてきた。
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第5窟チャイティア窟。エローラで一番内部が広い。奥は仏堂。石のテーブルのようなもので、僧侶たちが食事をしたらしい。夫は僧になったつもりで座ってみた。
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第2窟の仏堂には釈迦像が。ここは、皆さんが、拝んでいるところなので、私もルピーのお賽銭をあげて、平安をお祈りした。
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ヒンズーのエリアは16窟のカイラーサ寺院だけを見た。一つだけで十分見応えと迫力がある石彫り寺院だった。
下の写真の門を入るとカイラス山を象徴する高さ33メートルもある石彫り寺院が現れる。
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これを岩山から掘り出したなんで信じられない。100年かけて作られたというがよく破綻せずにここまでの形を作り上げたものだ。インド人の数学能力の高さと根気に脱帽。「この寺は馬が引く馬車の形をしています」とアシッシュさん、日本人が考える馬車とはイメージが異なるので、後で調べたらスーリアという太陽神の馬車をかたどったというスーリア寺院の形に似ていた。スーリアをシバの8形態の一つとみる考え方もあるそうだ。シバの神の象徴リンガこのお寺の一番高い部屋に祭られている。
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また、記念写真のお誘いがあってインド人の家族とパチリ。後ろにあるのは象が川から水をくみ上げてラクシュミーにかけている浮彫。ラクシュミ―は日本に来て吉祥天になった。
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世界を支える象の彫刻が本殿と前殿の周囲に並んでいるが、鼻が折れているものが多く惜しまれる。前殿の南側の壁にはマハーバーラタの物語が彫られている。(反対側はラーマーヤナ)
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最上階のシバ神のお堂を見てから門の上に上って寺院全体を見ることができた。美しい!そしてすごい迫力。裏山に上って全体を見る道もあるそうだが、時間がなくて行けなかった。
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16:25の飛行機でデリーに帰らなければならないので、ホテルカイラスというレストランで食事をしてからすぐ、車に乗ってアウランガバドの空港へ向かった。国内便でも2時間前に空港に着かなければならない。
2日間お世話になった運転手さんと空港でお別れした。車に乗る時も降りる時もドアーを開けてくれて親切だし、安全運転だったし、いい運転手さんだった。ありがとうございました。

デリーに着いたのは7時を過ぎていた。今夜は中華レストランで食事だという。少しカレーに飽きていた夫は中国料理でほっとしたようでビールを何倍もお替りしていた。いや、お替りはいつもの事だった。店員さんはみんな顔が中国系なので夫がつい中国語で話しかけると「I’m Indian!!!」と強く言われてしまった。

今晩はアシッシュさんのお宅にホームステイだ。お家は空港の近くの住宅街。道幅がだんだん狭くなった。タクシーが入らないということで少し手前で降りた。我々のスーツケースはアシッシュさんが運んでくれた。
きれいな玄関の扉の前にかわいい子犬が2匹寝ていた。飼い犬だそうで夜は玄関の前で寝るという。インドの犬は私たちの子供の頃のように自由に動き回れていい。犬の表情も穏やか。
お宅にお邪魔すると、お父さん、お母さん、妹さんが温かく迎えてくれた。居間の椅子に座ると、温かいミルクティーにビスケット、焼き菓子、ナッツのようなものを出してくれた。どれもおいしかった。アシッシュさんの通訳でしばらくお話をしてから、泊まる部屋に案内された。アシッシュさんの家は4階建て、私たちが止まるのはその最上階の客間だ。
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エアコンや扇風機をつけてくれたが、付けなくてもじゅうぶん涼しかったので止めて寝た。寝心地のいいベッドで朝までぐっすりと眠った。
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